最終更新日 2024年11月15日 by isujin
起業家・企業家・事業家・実業家・創業者・経営者といった言葉は非常に似ているため、混同してしまっている方も非常に多いかと思いますが、これらの名称は意味が大きく異なります。
そのため、これから会社の設立を目指すのであれば、それぞれの名称の意味と違いを知り、自分の理想と近いものがどれなのかを認識しておくと良いでしょう。
起業家
起業家とは、英語では「entrepreneur」と呼ばれており、光本勇介氏など自ら事業を興す人のことを指します。
必ずしも会社を設立する必要はなく、個人事業主として事業を興した方も該当しますが、すでに存在する企業や事業の後継者は当てはまりません。
なお、近年は社内ベンチャーと呼ばれる企業内に新事業を生み出すための新しい組織を設立するケースも少なくありません。
この場合、新事業の発起人を社長にして子会社を設立するケースが多いものの、いわゆる雇われ社長と呼ばれる立場の方が社長に就任するケースもあります。
このようなケースにおいて新たな事業を興したのは子会社の社長になるので、親会社の社長ではなく子会社の社長が起業家になります。
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企業家
企業家とは、企業経営に取り組む人のことを指すのが一般的です。
企業家も英語では「entrepreneur」と呼ばれていますが、新たな事業を興すだけでなく、新技術や新製品を考案したり、組織改善のための新たな仕組みを作ったりするなど、よりアクティブな経営を行っている人に対して使われることが多いです。
そのため、会社の代表である社長だけでなく、一般の会社員が企業家と呼ばれるケースもあります。
事業家
事業家も、英語では「entrepreneur」となります。
文字だけで見れば事業を行う人のことを意味していますが、現代では事業を経営する能力が高い人のことを指すケースが少なくありません。
例えば、買収やM&Aなどを実行することで企業規模の拡大を図っていく人が事業家に該当します。
実業家
実業家の実業とは、事業よりも狭い範囲の言葉です。
具体的には農業・工業・商業・水産などの生産・流通・販売に関係する事業のことで、この実業に関する事業を行う人のことを実業家と言います。
現代では、肉体的な労働を伴わずに生計を立てている方や、複数の会社を設立して成功した方、様々なチャレンジを試みて次々と成功を収めた方などのことを指すケースが多く見られますが、本来の意味とは異なるので注意が必要です。
なお、実業家は英語では「businessman」となりますが、生産関係の実業家に限っては「industrialist」と呼ばれます。
創業者
創業者とは、会社や店舗を設立した方のことです。
例えば、2人で協力して会社を設立して、どちらも代表取締役に就任した場合はどちらも創業者となりますが、一方が代表取締役に就任し、もう一方が社員として新たな事業を展開していくという場合は、前者は創業者、後者は起業家と呼ばれます。
経営者
経営者とは、文字通り会社を経営する人のことです。
すでに存在する企業の後を継いだ後継者や、新会社の経営を任された雇われ社長なども経営者になります。
また、経営者と言うと代表取締役のことを意味するケースもありますが、実際には専務や常務などの取締役も経営者に該当します。
同じ人物でも複数の名称が該当するケースも少なくない
起業家・企業家・事業家・実業家・創業者・経営者は、同じような意味合いで使われているケースも見られますが、上記のような違いがあるので混同しないように注意しましょう。
ただし、同じ人物でも複数の名称が該当するケースも少なくありません。
例えば、スティーブ・ジョブズ氏の場合、アップル社の共同設立者の一人なので起業家となります。
しかし、彼は自ら設立したアップル社を一度は追放されますが、経営難に陥った同社に戻った後は、iMac・iPad・iPhoneといった新たな製品を数多く発表し、経営状態を立て直しアップル社を世界的な大企業へと成長させたことから事業家としての側面も持っています。
起業後に事業を継続していくことは簡単ではない
なお、起業すること自体は比較的ハードルが低く、起業のアイデアを考えた上で目的・目標を設定し、資金を捻出できれば誰でも起業することは可能です。
しかし、経済産業省中小企業庁の「中小企業白書」によると、起業後の生存率は起業後1年で約70%、3年で約50%、5年で約40%、10年で約20~30%となっています。
つまり、起業自体はハードルが低くても、起業後に事業を継続していくことは簡単ではないということです。
起業を検討する際は、この点について十分に理解しておくことが大切で、廃業のリスクがあることを受け入れておく必要があります。
また、単に起業することを目標とせずに、事業を継続していくためのアイデアを考えておきましょう。
まとめ
加えて、イレギュラーが発生した場合でも対応できるような冷静さを持っておくとともに、絶対に譲れない軸を持ちつつも状況に応じて事業の方向性を転換するなどの柔軟性を持っておくことが大切です。